優先順位を決める2つの観点

優先順位の必要性

効率よく仕事を進めるためには、優先順位を常日頃から意識する必要があります。
仕事をする中での効率とは、短時間で多くの成果を挙げることです。
人間の作業スピードを上げるには限界があります。その一方で、同じ時間でも多くの成果を出している人がいるのも事実です。
この違いはどこにあるかというと、その要素の一つとして「優先順位を意識しているかどうか」ということが挙げられるでしょう。
「成果」というのは、担う役割によってその内容は異なりますが、今回は普遍的な優先順位の決め方を記します。

ポイント
  1. 緊急性と重要性
  2. アイゼンハワー・マトリクスの活用
  • 優先度第1位:緊急かつ重要
  • 優先度第2位:重要だが緊急でない
  • 優先度第3位:緊急だが重要でない
  • 優先度第4位:緊急でも重要でもない

1. 緊急性と重要性

優先順位を決めていくときに良く用いるフレームワークが「アイゼンハワー・マトリクス」です。
タスクを、「①緊急かつ重要、②重要だが緊急でない、③緊急だが重要でない、④緊急でも重要でもない」の4つの事象に整理します。
では、ここで「緊急」とは何か?「重要」とは何か?という疑問が出てくると思います。

この疑問に対し私は、

「緊急」とは、期限が決まっているまたは締め切りが1週間以内のタスク
「重要」とは、関係者が多いまたは予算規模や組織内外への影響が大きいタスク

というように定義をしています。この2つの観点を踏まえてタスクを整理しましょう。

2. アイゼンハワー・マトリクスの活用

それでは、前述の緊急性と重要性の定義を踏まえて、どの事象から着手するべきか見ていきましょう。

優先度第1位:緊急かつ重要

これは最も優先すべきタスクです。
なぜなら、

①期限が決まっているまたは締め切りが1週間以内のタスク(=緊急性)
②関係者が多いまたは予算規模や組織内外への影響が大きいタスク(=重要性)

という2つの条件を満たすためです。
この事象に分類されるタスクについては、とにかく取り組むということが大切です。

優先度第2位:重要だが緊急でない

次に着手すべきタスクは、重要性はあるが緊急ではないものです。
社会人と学生の最も大きな違いの一つとして、「タスクの期限を自分で決める」という点が挙げられます。
会社員としてのキャリアを歩み始めたばかりは、この「自分で期限を決める」ということに馴染みがなく、
「適切な期限」を導き出すのはなかなか難しいのですが、少しずつ経験を積んでいくと
このような重要だが緊急でないタスク、つまり「中長期的な、自らスケジュール管理・調整をする必要がある仕事」
担うようになっていきます。この事象に分類されるタスクにおいては、まずスケジュールを立てることから始めましょう。

優先度第3位:緊急だが重要でない

この事象に分類されるタスクは、特定のスキルに依存するものではない場合が多いため
「他者にお願いするという選択肢」を持つことができます。
重要性の定義が、「関係者が多いまたは予算規模や組織内外への影響が大きいこと」であるとするならば、
この場合は対人交渉や予算・費用対効果という観点は不要ですから、上司は部下に任せるという判断になります。
したがって、経験が浅い場合はこの事象のタスクを中心にこなしていくということが多くなります。

優先度第4位:緊急でも重要でもない

最後に、緊急性も重要性もないタスクについてですが、
これは組織全体からみても生産性の低いタスクになります。したがって、「やらない」という選択肢を持つことができます。
仕事がお金や価値を生むものであるとすると、この事象に分類されるタスクはそれとは遠いものになるので、
優先順位は圧倒的に下位になります。社内会議の議事録の作成などの、
いわゆる「仕事のためにする仕事」は必要最低限に留め、付加価値の高い作業に集中すべきです。
ダメな会議の3パターンにあるような会議もすぐにやめるべきです。

まとめ

日々あれやこれやとタスクが発生すると、何から手を付けていいかわからなくなり、
悩んでしまう方もいらっしゃるでしょう。正直、私もその一人でした。
場合によっては、依頼された順番で着手していくというのも進め方の一つにはなりますが、
「緊急性と重要性」の2つの観点でタスクを整理すると、
とりわけ組織においては個のパフォーマンスというよりも全体効率という観点で成果につながりやすくなります。
これからチームのマネジメントを担われる方や、タスク整理の必要性は理解しているものの具体的な方法にお悩みの方は、
ぜひ参考にしていただければと思います。

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