ビジネスで使える3つのコミュニケーションフレームワーク

【保存版】ビジネスで使える3つのコミュニケーションフレームワーク(IRAC/TAPS/PREP)

社会人になると、上司やクライアントに簡潔でわかりやすく説明する力が強く求められます。一方で「言いたいことが整理できない」「話が長くなる」と悩む人も多いのではないでしょうか。そんなときに役立つのがコミュニケーションフレームワークです。本記事では、実務で使いやすいIRAC/TAPS/PREPの3手法を、活用場面や例文とともに解説します。


ビジネスでフレームワークが必要な理由

フレームワークは、伝える順序と判断基準を定め、説得力再現性を高めます。会議報告、営業提案、経営判断のいずれでも、「何から、どう話すか」が定まっているだけで、相手の理解速度が上がり、意思決定が早まります。

3つのフレームワークを徹底解説

1. IRACとは?(Issue・Rule・Application・Conclusion)

IRACは、もともと法律分野で使われる論理構成法ですが、ビジネスの説明や報告にも有効です。
法律学を勉強した方であれば一度は耳にしたことがあると思いますが、
「Issue・Rule・Application・Conclusion」の4つで構成され、
それぞれの頭文字をとって「IRAC(アイラック)」と呼ばれています。
どのように判断すべきかという要素を含んでいます。

  • Issue(課題):何を判断すべきかを明示する
  • Rule(基準):判断基準・前提条件・制約を提示する
  • Application(検討):基準に照らして事実・代替案を評価する
  • Conclusion(結論):最終判断・次アクションを示す

:「新規事業の採算性を検討する」
Issue:この事業は採算が取れるか?
Rule:営業利益率20%以上を条件とする
Application:市場規模・単価・コストを試算し、3シナリオで比較
Conclusion:初年度は基準未達。費用構造の見直し後に再評価

向いている場面:分析レポート、稟議、調査報告

2. TAPSフレームワーク(To be・As is・Problem・Solution)

TAPSは、理想と現状のギャップを可視化して、解決策の必然性を高める提案型の構成です。
理想の姿と現状とを比較し、ギャップを起点にしてプレゼンテーションの構成を考えるという提案型のフレームワークです。

  • To be(理想):あるべき姿(KPI/体験/運用像)
  • As is(現状):現状の事実・データ
  • Problem(問題):ギャップの特定と原因
  • Solution(解決):ギャップを埋める具体策

:「リード獲得を増やす提案」
To be:月間有効リード300件
As is:月間110件、CVR2.5%
Problem:流入チャネル偏在している・LPの訴求が弱い
Solution:SEO対策+LPの改善+比較表追加でCVR3.5%を狙う

向いている場面:営業提案、改善プロジェクト、プロダクト施策

3. PREP法とは?(Point・Reason・Example・Point)

PREPは、結論を最初に述べ、短時間で理解・納得を得る主張型の構成です。
言いたいことを無秩序に並べることを避け、相手に伝えたいことを簡潔にまとめるフレームワークです。

  • Point(結論):最初に主張を提示
  • Reason(理由):根拠・ロジック
  • Example(例):データ・事例・比較
  • Point(再主張):結論を再度強調

:「このツールを導入すべき」
Point:導入で生産性が上がる
Reason:ルーチン自動化で月20時間削減
Example:他社導入で残業15%減の実績
Point:以上より、当部署でも導入を推奨

向いている場面:上司報告、スピーチ、短時間プレゼン

フレームワーク比較と選び方

フレームワーク 特徴 強み 弱み 向いている場面
IRAC 課題→基準→検討→結論 論理的・網羅的 堅く長くなりがち 分析・稟議・調査報告
TAPS 理想と現状の差を可視化 提案の必然性が高い 理想像の定義が甘いと弱い 営業提案・改善策立案
PREP 結論→理由→例→再結論 短く明快・印象に残る 根拠が浅いと説得力不足 上司報告・スピーチ

応用編:結論から伝える「C-IRAC」

ビジネスでは結論先出しが好まれるため、C-IRAC(Conclusion→IRAC)も有効です。
結論→Issue→Rule→Application→(再度)結論の流れで、意思決定者に配慮したスピーディな合意形成に寄与するでしょう。
結局どうしたらいいの?という問いに対して、「自分はこう考える」という答えを示すには、
IRACは使いやすいフレームワークだと個人的には思いますが、
本稿で紹介したフレームワークはそれぞれ良さがあるので、場面や状況に応じて
使い分けるというのもまた一つの技術となります。

まとめ:場面に応じて使い分けて説得力を高めよう

  • 論理的な検討・報告ならIRAC
  • 提案・改善ならTAPS
  • 短時間で伝えるならPREP

次の会議やプレゼンで、まずはひとつ選んで使ってみてください。
(関連記事:コミュニケーションの目的〜報連相の役割を考察〜 / 相談=スキル!〜“悩む”と“考える”は似て非なるもの〜伝わるビジネス文書の書き方

よくある質問(FAQ)

IRACはビジネスでも使えるの?
はい。法律の分析手法ですが、課題設定と判断基準を明確にでき、経営判断や稟議でも有効です。
PREPとTAPSの違いは?
PREPは結論重視の短時間説明。TAPSは理想と現状の差を示して解決策の必然性を高める提案型です。
どれを選べばいい?
社内報告ならPREP、改善提案ならTAPS、分析レポートや稟議ならIRACが基本の目安です。
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